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10.皇子と私 ④

Penulis: satomi
last update Terakhir Diperbarui: 2025-08-31 07:26:16

 今回もグレイ様からドレスが届いた。

 自分に合わせて、微調整をし、また女将さんにドレスを纏った姿を見てもらった。

「いやぁ、流石だね。アンジーはキレイだよ!自信を持って行っておいで!」

「女将さんに言ってもらうとなんだか勇気が出ます!頑張ります!行ってきます‼」

 そう言って、今回も迎えに来たカールにエスコートされて馬車に乗り込んだ。

「前よりも馬車が豪華な気がするのは気のせいですか?」

「アンジェリカ様はほぼ殿下の婚約者様ですから、特別待遇となります」

 なるほど。

 今回も車窓から外を眺めていると、皇宮についた。

 カールのエスコートで馬車から降りたのですが、それを見たグレイ様はなんだか不機嫌です。

 ――――このドレス、あんまり似合ってないのかなぁ?女将さんは褒めてくれたけど。

 カールがグレイ様をつついて、覚醒させてくれました。

「ああ、あんまりキレイで呆けてしまったよ。すごく似合ってるよ!」

「グレイ様は今日も素敵です」

 よくよく見ると、なんだかペアルック?そういう風に作ったの?

「さあ、応接室に行こう。父上…じゃなかった。陛下達がお待ちかねだよ」

 え?私はお待たせしてしまったの?

「お久しぶりです。アンジェリカ=シアースミスです。本日はお時間を儲けて頂きありがとうございます。なんでも私がお待たせしてしまったとか……」

 なんたる恥というより、申し訳なさ!お忙しい中時間を作ってくださっているというのに、お待たせしてしまうなんて!

「久しぶりだな、アンジェリカ嬢は。ちょっと見ないうちに美しく成長したものだな」

「光栄に御座います」

「なんでもうちのグレイと婚約するとか?」

 皇后陛下もお美しい!見惚れてしまいます‼

「娘からはそのように聞いています。おい!アンジェリカ‼」

「すみません。皇后陛下がお美しく、見惚れてしまいました」

「まあ、お上手ね」

 実際にトリップしてたんだけど…。

「グレイ様との婚約をお許しいただきたく参上しています」

「「いいわよ~」」

 軽い!軽すぎる‼

「グレイ様には我が家門に臣下として下っていただく予定でして…。構いませんか?」

「いいね。いや~、どこの公爵家も下るには丁度いい年頃の子がいなくて困ってたから、逆にこっちからグレイで良ければ…みたいな?」

「グレイ様は騎士団長を続け、うちのアンジェリカが領地経営をするという形
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